さわだにわか

サマー・ストックのさわだにわかのレビュー・感想・評価

サマー・ストック(1950年製作の映画)
3.9
舞台劇なものを意図しているのだとしてもカメラや演出は凡庸で面白味がなくテクニカラーの特性も生かされていない、はっきり言ってチープな映画だと思うのだが、農夫一筋のジュディ・ガーランドが突然の劇団襲来によって内に秘めた歌と踊りの才能に目覚めてからの展開はどこかガーランドの来歴とも重なって、スクリーンに映し出される内容が画面のチープさを凌駕する感動的な面白さ。

ジーン・ケリーの新聞紙ダンス、フィアンセのブチギレ、舞台上を駆け回る犬、歌と踊りが全てをかき乱し全てを飲み込んでしまう祝祭的ラストなど、映画の魔法がかかる瞬間がここにはいくつもある。
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