ジュディ・ガーランドのMGM、そしてジーンケリーとの共演も最後となる作品。
ある日女優を目指す妹が、ジュディの経営する農場の納屋を舞台にしたいと劇団を引き連れて田舎に帰ってくることから始まるコメディミュージカル。
このときジュディは神経的にかなり痛ましい状態で身体もぼろぼろだったらしい。シーン毎に太ったり細身になったり身体のラインが変わるのがわかるほど。それが彼女の波乱の人生を感じさせ痛ましくなる。
それでも歌やダンスシーンは彼女ならではの豊かな表現力とパワフルさを感じる素晴らしいものとなっている。
ミュージカルの名シーンとして名高い、「Get Happy」はジュディが男装し、美脚で魅了する圧巻のナンバー。この作品で唯一細身のジュディが観れます…。
劇団の演出家役のジーンケリーはソロダンスが多い!私得!ありがとうございます!
団員が農場を手伝うことを説得するために食堂で踊るシーンは、これぞジーンケリーなパワフルなダンス。
そして舞台の一部が軋むことに気づき、その軋む音と新聞紙を使ったちょっと変わったダンスも披露。
新聞紙を使うダンスといえばブロードウェイの「Newsies」が浮かぶけど、原点はこのダンスだったのかなと思ったり。
彼の思うがままに音が鳴り新聞紙が動き破れる様は、もはや魔法のようでした。
牧場が舞台なだけありどこか牧歌的でありながらも、魅せるところはきっちり魅せてくれるミュージカルでした。
《映画史上の名作15 @ シネマヴェーラ渋谷》にて
343/2016