ボサノヴァ

レイク・マンゴー 〜アリス・パーマーの最期の3日間〜のボサノヴァのレビュー・感想・評価

3.8
いわゆるホラーモキュメンタリーものだが、音とハッタリに頼りがちなこのジャンルにおいて、かなり異彩を放つ作品。

オーストラリアのとある一家で起きた長女の謎の死と、それに呼応するように発生する心霊現象。その関連性を追う遺族の様子を、インタビューと、残された写真やビデオの検証映像で繋いでいくという構成である。静謐な雰囲気の作り方が巧みで、久々に「映り込む霊」の不気味さを堪能することができた。

見ていると、何度か肩透かしを食らう。これは、もともと尺が取りにくい題材(恐怖映像の検証)を一本の映画として成立させる為には仕方のない演出だし、あえてフェイクを織り交ぜていくことで、逆に説明のつかない事象の気持ち悪さを際立たせているのであろう。

そして、やがて辿り着く長女の秘密と死の真相は、非常に冷め冷めとしていて、やり切れない後味が残る。
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