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タイタニックのasayowaiのレビュー・感想・評価

タイタニック(1927年製作の映画)
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立地的には「ウエストサイド」なんだろうけど、上映待機中のロビーには「イーストサイド」のにおいがするフィルムセンターで見てきた。

MOMA所蔵プリントなので非常に状態がよく、あれほどきれいなサイレント映画は初めてみた。生ピアノ伴奏も堪能して至れり尽くせりのサイレント上映。
よく批評家が「フィルム体験」とか言い出すのスノッブ臭がして嫌だったんだが、これは紛れもなくそう呼んでいいフィルム上映だ。よかったよかった。

1927年製作のサイレントだけど、部分的にトーキーが導入されているこの時期の映画だけあって、ワンシーンをフィックスで撮り続けるようなカットはほとんどない。
トリッキーなトラックバックやトラベリングショットなど滑らかなカメラの動きが楽しめる。
この辺は、貧民街=「イーストサイド」、高級住宅地=「ウエストサイド」など、成り上がりストーリーを分かりやすく視覚化してる。
タイトルのタイタニックは実際ちょろっとしかでてこないけど、間違いなくクライマックス。セットが斜めになるドリフ的な装置を使いつつ悲劇を演出するのは思いのほか難しいと思う。
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