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ジェシー・ジェームズの暗殺のsobayuのレビュー・感想・評価

4.5
ボブがジェシーに憧れているのと同じくらい、ジェシーもボブに執着していたのが面白い。正直ボブの何がそんなによかったの?盲目的に信望してくれるから?でもそういう人は掃いて捨てるほど身近に居ただろうに。まあ恋は理屈じゃないし、この話ではジェシーの内面は描かれないからしょうがない。単純にボブが美しかったからかもしれないし。

こういう話って大抵、蜜月期というか俺とお前が居れば無敵だぜ期みたいな輝く日々を描いてから、すれ違い期に入っていくじゃないですか。その落差がエモいから。でもこの映画は陰りが見え始めたところから始まる。ジェシーの輝ける日々はもう過去になりつつある。

殺したくないけど殺すしかない男たち。嫌なら逃げればいいのにと思うけど、親類で固まった犯罪集団だからしがらみが強いのか。殺されると分かってて出向く。殺される男はわざと背中を向けたり、銃を置いたりする。そして悲しい顔して見つめ合う。なにこの分かり合う感じ‥。

登場人物が多すぎて名前と顔を覚えるのが大変だった。知っている俳優ばかりだったから何とかついていけた感じなので豪華キャストに感謝したい。

ブラピは自分の圧倒的カリスマ性のせいでボロボロな男を演じさせたら世界一だな。

ラストはわざと蛇足っぽくそれこそ世間のボブに対する評価のように、カタルシスのない終わり方を敢えて狙ったんだと思う。わざと退屈な終わり方。すごく面白かった。
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