こんなシンプルな仕掛けの中でいろんなことができるのだな、と感心しつつ馬がいい。走っている馬がぜんぶいい。
強盗のアジトの近くで「あいつら、強盗じゃないかな」とか言いながら野宿していた三人の男が自警団の奇襲を受けて、自分たちもお尋ね者になってしまう。そこからどう逃れるかというアイデアもので、はっきり言って舞台劇っぽい。
強盗シークエンス、強盗と三人組の探り合いシークエンス、自警団と強盗と三人組三つ巴シークエンス、三人親子の家の立て篭りシークエンス。
どれも舞台装置に裏表があって、舞台上と舞台裏の駆け引きで話が進む。そういう演劇っぽさにもかかわらずかったるくないのは、セリフが少ないからだろう。舞台装置の小道具と、視線のドラマがすぐに銃撃に結びつくことで映画になる。目→銃→カメラの相性の良さを嫌でも感じる。
小屋を燃やしたり、縛首をしたり、派手な銃撃シーンがありつつ、余韻がない。あっさりしているのもすごくいい。