「映画は真に娯楽であり、芸術である」
「映画は死にかけている」
街頭で訴え、警察に追われる秀二。
映画が作れなくとも、定期的なシネフィルを開催していた。
そこで知らされる兄の死。
ヤクザの兄。プロの回収屋が回収トラブルで殺された。
兄の残した借金、それは秀二の映画3本の製作費。
返済期限は2週間。返せなければマグロ船か、保険金か。
返す当てなどない。
事務所で出会った幹部(でんでん)との諍いから殴られ屋での返済を決意する。
何がそこまで秀二を追いつめるのか。
結局のところ、映画を愛したから。
愛した映画のせいで、兄を失ったようなもの。
愛した映画のおかげで、殴られて、死の淵まで追いつめられる。
だけど、
愛した映画が彼を支えている。
何たる皮肉だろうか。
狂気なんだか、偏執狂なんだかもう(笑)。
もともと見世物的であった映画に芸術は後付け。
けれど芸術的アプローチは否定すべきではないし、そっちで昇華したい映画に対する愛情は解る。
徹底したエンターテーメントを追及する主流というかメジャー。
この作品内で秀二がいう“商業映画”“シネコン系”を頭から否定するのは微妙。
だって、観客は単純に観たいものを観るだけだし。
「映画は真に娯楽であり、芸術である」
二律背反
難しいです。
まぁ、秀二の論理と行動に共感しまくり、感動してた俺様(笑)。