OASIS

荒野の処刑のOASISのネタバレレビュー・内容・結末

荒野の処刑(1975年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

無法者達の街から追放された賭博師、娼婦、アル中、墓堀り人の4人が巨大都市サンド・シティーに向けて旅立つという話。

「サンゲリア」等のルチオ・フルチ監督が贈る異色の西部劇。
ホラー畑の巨匠だけあって、ホラー風味たっぷりの音楽が鳴り響く中主人公達以外が開始早々皆殺しにされるというオープニングから一味違ったテイスト。
血塗れの死体が激しく宙を舞い、死体損壊描写も容赦が無く流石の掴みだった。

4人が荒野に放り出されてからは、打って変わってロードムービー風に。
アル中が詐欺師のコロンを飲んで喧嘩が勃発したり、出会った旅団に詐欺師と娼婦が夫婦と誤解されるというコメディ調な場面もあれば、道中に出会った狩人チャコの手によって操られてピンチに陥るというホラー風な演出もあり。
最終的には擬似的な夫婦愛を描きあまつさえ感動させようとして来るなど、その世界観のぶれ具合は中々のものだった。

ジャンルのごちゃ混ぜ感は否めないが、チャコのホラー映画からそのまま出て来たかのような狂人っぷりは主人公以上に強烈な存在感を示す。
また、娼婦を演じるリン・フレデリックが男だらけのムサ苦しい画面の中で一際輝いていて、チャコにレイプされるシーンではその状況に相反する興奮を覚えてしまった。

残虐拷問、カニバリズム、オカルト、異なる宗教観など西部劇というよりかはカルチャー・ドキュメンタリーを観ているようで不思議な感覚。
熱が上がるようなアツさを求めて観た筈なのだが、何故か終わった後には体温が下がっていて布団に包まってしまう映画だった。