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ダンシング・レディの東京キネマのレビュー・感想・評価

ダンシング・レディ(1933年製作の映画)
3.0
契約としてはRKOの『空中レヴュー時代』が先だったのですが、間隙を縫ってMGMのデヴィッド・O・セルズニックが見事に捻じ込んだフレッド・アステアの正真正銘ハリウッド・デヴュー作品。 従って、絡みはジョーン・クロフォードへの紹介場面と、エンドのダンス・ナンバー2曲のみ。 ダンスはキレッキレで隙間なし。 やっぱりもうちょっと柔らかい方がアステアっぽい。

お話は、ボーイ・ミーツ・ガールからティーザーの行って来いで恋愛成就というこれまた良くあるパターン。 中身はスッカスカで何もない。 それよりも何よりも、ジョーン・クロフォードの猫背ガニ股踊りが凄まじい。 これでステージ・マネジャーに 「あの娘は才能がある・・・」 と言わせる禁じ手に大苦笑。

アステアは自分の容姿に相当コンプレックスを持っていたようで、この映画をレヴューした後、メモには 「重々しい踊りに、グロテスクな顔・・・」 と書いたそうな。 いやいや、全然そんなことはないよ、と励ましてやりたい・・・。
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