イトウモ

湖のランスロのイトウモのレビュー・感想・評価

湖のランスロ(1974年製作の映画)
4.0
ブレッソンの手によるアーサー王伝説、円卓騎士の最晩年。聖杯探求の一大事業に失敗し、疲弊したまま内紛を抱えて腐敗していく組織。感情もスペクタクルも排した叙事詩というのが新鮮、無表情の人間のバストショットばかりが淡々と連なる。大河ドラマみたいなパノラマショットはひとつもない。争いの中で最後には風景から誰もいなくなって死屍累々。血を流す死体は泥人形のようで、一つの時代の終わり、集団の終わりというのから情緒を全く排除してしまうと、あとにはなにも残らない、不毛さだけがずしんと