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三大怪獣 地球最大の決戦のbackpackerのレビュー・感想・評価

三大怪獣 地球最大の決戦(1964年製作の映画)
3.0
ゴジラシリーズ第5作

【作品情報】
公開日  :1964年12月20日
作品時間 :93分
撮影   :東宝スコープ(シネマスコープ)
監督   :本多猪四郎
製作   :田中友幸
脚本   :関沢新一
音楽   :伊福部昭
特技監督 :円谷英二
出演   :夏木陽介、星由里子、小泉博、志村喬、ザ・ピーナッツ、若林映子、伊藤久哉、ほか

【製作舞台裏等概要】
歳末公開お正月映画の役割を与えられた第1作。
前作『モスラ対ゴジラ』に続き、『空の大怪獣ラドン』からラドンが登場。
一対一の戦いから、複数怪獣による決戦モノへと路線変更される第一弾となった。
また、ゴジラ最大の敵、宇宙怪獣キングギドラが銀幕デビューを果たした、記念すべき作品である。

本作では、金星人と名乗る謎の女が、宇宙怪獣キングギドラの出現を予言。
その脅威に立ち向かう為、モスラがゴジラとラドンを説得するという、他にない構図が特徴的。

金星人のドラマでは、記憶喪失と他人格の出現や、王国継承権を巡る謀略が絡み合う。
この金星人を精神鑑定する学者として、黒澤組から志村喬が三度目の出演している。

金星人と宇宙怪獣という試みは、以降の『宇宙人対地球人』という侵略SF路線をゴジラシリーズに落とし込む、プロトタイプ的位置付けとも取れる。


【作品感想】
黄金に輝く巨大な宇宙怪獣・キングギドラが登場!
威風堂々、荘厳かつ神聖な雰囲気を併せ持つ、花形怪獣の初舞台ですが、人間ドラマにかなり力を入れた作品でもあります。

また、過去のゴジラとの最大の違いは、ゴジラが自己の意思を持つ存在であることがハッキリ伺える、要するに人間臭くなったという点があげられます。

これまでのゴジラは、破壊の限りを尽くす無慈悲な天災であり、他の怪獣と対決するために暴れ回る存在として描かれていました。
しかし本作では、まず「モスラの説得」という要素があったわけですが、怪獣間でコミュニケーションを取り、連携・協調の上キングギドラと戦います。

ゴジラが、何を考えているかわからない、真の意味でのモンスターから、個としての意思を持つ存在、言うなれば擬人化されたキャラクターへと変化した、そんな一作だったなと思います。
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