Kuuta

三大怪獣 地球最大の決戦のKuutaのレビュー・感想・評価

三大怪獣 地球最大の決戦(1964年製作の映画)
4.1
1964年公開の5作目。ひたすら楽しい、ザ・娯楽映画。

怖さや特撮的なかっこよさは尽くキングギドラが持っていっている。ミニチュアの爆破も大半がキングギドラの光線シーン。

擬人化されすぎて畏怖の対象でも何でもなくなっているものの、悪ガキ悪友感満載のゴジラ・ラドンと、優等生なモスラ。3体の会談は笑うしかないが、モスラとラドンの合体技は熱い展開。ギドラの光線に為すすべもなく画面隅で吹っ飛ばされまくる幼虫モスラ、お腹が大きいせいか、一回倒れるとうごうごして全然起き上がれないゴジラ。かわいい。

人間のシーンもテンポ良く、無駄なグダグタもなく、気持ち良く楽しめる。兄と妹と母の何気ない居間での会話が良いし、何より星由里子さんがチャーミングだ。「あの人は今」でモスラを呼ぼうとする発想はなかったし、ちゃっかりテレビ出演している小美人にも笑った。ギドラの説明シーンで聞き手と語り手が3人ずつだったり、人間サイドの連携プレーの場面と怪獣の共闘の映像を繋いでいるのも気が利いている。

怪獣の取っ組み合いで電線が切れて…という流れ、帽子を落として目線の先にラドン登場、カメラが左から右にパンして行くと海上にゴジラがヌッと立っている場面等々、現実と特撮が相互に補完し合いながら見せ場を作って行くのがたまらない。

ゴジラが初めて海に帰らず、日本の守り神として陸に残った作品でもある。初代からのゴジラサーガは、今作で一区切り打たれた感がある。82点。
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