地底獣国

マルチプル・マニアックスの地底獣国のレビュー・感想・評価

マルチプル・マニアックス(1970年製作の映画)
3.0
すんません、俺にはまだ早過ぎました。「シリアル・ママ」あたりから出直してきます。

とにかく圧倒的なディヴァインの存在感に牽引される映画。「ピンクフラミンゴ」程では無いにせよ、本作の臓物齧り付きシーンもかなりリスキーだと思うんですが、ホントようやりましたねえ。とにかく「何を観せられてるんだ」感が半端なく、巨大ロブスターに襲われるあたりまで唖然としながら観ておったのですが、そこからのモンスターパニック映画的なノリにテンションが上がり、なんかよく分からんけど妙な満足感を得て観終わったのでした。やはりホルストの火星は怪獣映画によく合う。

聞けば本作、当初はディヴァイン一座がシャロン・テートらを殺して逃亡し、最後は警察に追い詰められるという内容で進めていたのが、途中で実際の犯行グループであるマンソンファミリーが捕まったのでストーリー変更を余儀なくされたとのこと。何故そこでオバケロブスターが出ることになったのかは不明ですが、そういうフリーダムさは嫌いじゃない。

余談:鑑賞後にBLACKHOLEのジョン・ウォーターズ特集見返してみたら、教会でのロザリオプレイとキリスト受難をカットバックでみせるところは「キリスト教(というか教会)と決別する」意思表示なんだと柳下毅一郎氏が語ってました。だとするとウォーターズが「ベネデッタ」をどの様に見たのか非常に気になるところです(2021年ベスト10には入れていませんね)。
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