こぅ

緋色の街/スカーレット・ストリートのこぅのレビュー・感想・評価

4.3
「男は女の色気(誘惑)に抗えない⁈」

フリッツ・ラング監督による、大人気作で、捻れたラヴが主軸の頭使わない【フィルム・ノワール】。


生活に疲れを感じている真面目な銀行マンの初老のC・クロス(エドワード・G・ロビンソン)が、ある魔性の女、キティ(ジョーン・ベネット)と知り合う。
そのキティの恋人、ジョニー(ダン・デュリエ)が、クロスの財産を巻き上げるように、キティを誘導していく…。


お国柄変わろうが、年代変わろうが、【普遍的テーマ】というか、共感出来る、万国共通しているのが先ず誰もが没入し易い。

プロットがシンプル故か、テンポは、割とゆっくり〜丁寧に展開。

最初は、騙そうなんて気持ち、計画など全く無かったのだが、、

クロスの趣味で描く絵画を巡り、キティの彼氏、ジョニーの悪知恵で中々面白い展開になる〜
終盤の強引な展開は否めないが、全体的に無駄の無い脚本。

単独ファム・ファタとは一線を画す悪女のキティ役、ジョーン・ベネットが妖艶な魅力で迫り、どんな男も落とせそうだ⤵︎
劇中出てきたジョーンの 肖像画 が欲しいわ。

主要3人のキャスティングの妙。
と、クロスの口煩い恐妻、アデルのキャラも面白い。

ハリウッド的バンザイ作と違い、フリッツ監督は男と女、加害者と被害者を、誰が善い悪いでは無く、【全て=、平等、イーブン】に描いているのが特徴的。
なので、単に被害者が哀れ〜という一方的感情に傾く事も無いのだ、、
ある意味【異色】と言えそう。


そのグレー色が結末に現れているし、その手前のホラー的演出もバツグンに効果を上げてからの締め。


*【仕立て屋の恋】や【氷の微笑】あたりに影響を与えていそうだ。


*【サスペリア】での熟年ジョーンは怖かった記憶。
こぅ

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