木霊する “ジョニー” の声が 離れない
家では口うるさい妻の代わりに家事をこなし、一目惚れをした若い女性のキティには、彼女がぞっこんのジョニー ( ←ダメ男のちんぴら ) にそそのかされ カモにされる・・・
そんな真面目で心優しい さえない中年サラリーマン “クリス・クロス” が主人公のストーリーです。
個人的に、クリス役のエドワード・G・ロビンソンのやけに板についたエプロン姿がツボでした(笑)
冒頭のパーティーで洗練された男性の世界を感じ、序盤の クリスとキティのウイットに富んだ会話に心地よさを感じたのですが、
だんだん
キティ+ジョニー ≫クリス
の報われない構図が顕著になっていきます。
それにしてもクリスが鈍い。
えっ、それOKなの?
どこまでお人好しなんだ!!!!
と感じる彼の性格にも問題あり。
そして、中盤を過ぎてもそれほど驚くような展開もなく、この軽いメロドラマのような凡庸なまま終わるわけがない!! と思ってはいましたが・・・
射貫かれるほどの鋭さと重みを感じた 新聞記者の ある言葉
嘘の証言から陥る負のスパイラル
表情・背中から滲み出るオーラ
そして、歩く姿・・・
とにかく余韻が凄まじく、これらをただ じっと、見つめることしか出来ませんでした。
因果応報を望むことが多いのですが、手放しでは喜べない想像以上の展開に 捉えどころのない自分の感情を持て余し、しばらく抜け出せなかったです。