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キャタピラーのmのレビュー・感想・評価

キャタピラー(2010年製作の映画)
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江戸川乱歩の芋虫を読んで以来ずーーーーっと気になっていた映画。

エログロ、しかも戦争系の古い映画でってなかなか手を出せなくて。数年前に臀部下から両下腿切断した方がいた時にこの映画のこと思い出して一度手に取って借りようって思ったけど、なんかリアル過ぎて気持ち的に見る気起きなくてそれ以来ずっと見れないでいた映画だったけど、dTVで配信されてて思い切って鑑賞してみた。

原作がなんともいえない胸糞悪いラストだったのを強烈に覚えてたから、ストーリーは抵抗なくスッと入ってきたけれど、撮影方法が気になって気になって調べた(笑)
正面から撮影するときは後ろに、後ろ向きのときは前で手足を縛って撮影して、布団で寝ているシーンの場合は、斜めに掘り込んである床の部分に、手足を入れて撮影してるらしい。
すごい!笑笑

正直ほんと倫理もクソもないけど、これは在宅介護という面でとても共感もてるし勉強になると思う。笑
なかなかに赤裸々というか、ドラマだと絶対お涙頂戴の感動で終わらせるところを、地上波では描けない部分、道徳的に絶対に言っちゃいけない言葉だったり、介護をしたことがある人ならわかるーあるあるだーってなるちょっと笑ってしまうような、またはいじやける共感シーンもあるというか。

リアカーに乗せて練り歩くシーン辺りから寺島しのぶがインスタグラマーに見えてしょうがなかった笑。昔から人間の考えることっておんなじなんだなーって。
これもうインスタ女子と一緒だよね。いいねの数で自尊心が満たされるインスタ女子笑
軍神様と讃えられて、そんな方を介護をして素晴らしいね!えらいね!って。そんでプチ贅沢もできちゃって。

食べて寝て!食べて寝て!そればっかり!!なんなのよ!!って発狂するシーンもすごい気持ちわかる。まるで自我のある大きい赤ちゃんだし、手ばっかりかかって子憎たらしくてって。どんな人でもずっと介護の生活していれば一度はそう思ってしまうと思うんだよね。
この映画、一般の方が見たらどういう感想になるのかなあ。

にしても、ラストが残念すぎる!!!
原作の ユルシテ ユルス がないと言わんとしてることが全く変わってきちゃうと思うんだけど!!!
後半のPTSDてきなフラッシュバックもなんか蛇足だし、戦争終了とともに自害する軍神、喜ぶ妻って構図がなぁ。。。う〜ん違うんだよなあ


みた結果、思ったよりエログロではなかった!!それより実際の映像のがこたえたかな。

直前に日本のいちばん長い日みてたから、それもいい感じにバック背景知識として役立った
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