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この庭に死すのleylaのレビュー・感想・評価

この庭に死す(1956年製作の映画)
3.6
銃撃戦やサバイバルもあり、ブニュエルらしいシュルレアリスム描写は控えめ。権力批判や神の不在の描写はあります。

前半は鉱夫vs政府軍の攻防で、珍しく銃撃戦となる。後半はジャングルでのサバイバル。しばらくはウダウダと冗長だけど、ジャングルの場面からは人間の本性が剥き出しになり面白い。タイトルの「庭」とはジャングルのこと。

ジャングルに逃げるのは銀行強盗犯のクラーク、稼いだ金でフランスで食堂を開きたい山師カスタンと聾唖の娘マリア、神父のリザルディ、娼婦のジン。様々なタイプの人間を配している。

⬇️以下、内容に触れています。







ジャングルで墜落した飛行機を見つけてからが面白かった。究極の状態でおかしくなる善人のカスタンの変わりよう。あっさり撃たれる娼婦のジンと神父。ジンはブルジョワの格好をした途端に撃たれるし、神父が撃たれるのもブニュエルならでは。あっさり人が死ぬのがシニカルです。

純粋そうな聾唖の娘が宝石に目がくらんだり、悪人と思っていたクラークが頼りがいがあったりなど、人間のリアルな姿を浮き彫りにした作品。ヘビに蟻の大群はシュールでギョッとしました。

あまりにシュッとしてて神父役がピコリだって気づかなかった。娼婦役のシモーネ・シニョレが35歳ですでに貫禄があり、美しかったです。
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