牛猫

アメリカを売った男の牛猫のレビュー・感想・評価

アメリカを売った男(2007年製作の映画)
3.6
20年以上もアメリカの国家機密をソ連のKGBに売り渡していた実在のFBI捜査官のスパイ事件を描いた話。

実話を元にしているというだけあって、スパイ映画と思えないほど地味。しかし、緊迫感は凄まじい。主演2人の心理戦、腹の探り合いに釘付けになる。派手なドンパチがなくてもこれだけ惹きつけられるのだから、脚本の上手さってやっぱり重要なんだなと思った。
なんといってもクリスクーパーが素晴らしい。何を考えているのか分からない。本当は全部バレていて泳がされてるだけなんじゃないかと思わされる。アメリカ史上最悪のスパイ事件と呼ばれるほど、やっていることはえげつないのに、敬虔なクリスチャンで、孫に優しいおじいちゃんで、そして変態。属性盛り込みすぎだろと思ったけど、これくらい色々な面を持ち合わせてるような人でないと20年以上もスパイなんてやってられないんだろうな。

ライアンフィリップの役が実在したかどうかは分からないけど、FBI見習いの新米があんな現場に赴任されるなんて本当にありえるのかな。よほど神経が図太くないと病んでしまいそう。そうでなくても奥さんと一緒に押しかけで家庭訪問してきた上に、宗教勧誘してくるとか嫌すぎて笑った。
牛猫

牛猫