すずき

アリス・スウィート・アリスのすずきのレビュー・感想・評価

3.3
シングルマザーのキャサリンと、まだ小さな2人の娘アリスとカレン。
素直で気立てのいい妹は誰からも愛されていたが、その事がアリスは気に入らなかった。
アリスはお面を被って周りの人に悪戯を仕掛け、カレンも度々その標的になっていた。
ある日、教会の聖餐式にカレンは現れず、カレンが持っていたベールを身に付けたアリスが参加する。
そしてカレンはというと、教会の一室で殺害されていた…

70年代スラッシャー映画の隠れた名作、という触れ込み。
「ハロウィン」的な殺人鬼に付け狙われる純粋なスラッシャー映画か、はたまた「ファンタズム」的なファンタジーよりのホラー映画かと思ったが、ちょっと違った。
キリスト教価値観(皮肉も含め)をベースに、「サスペリア2」のようなジャッロ映画の雰囲気で、そーゆーミステリー好きならハマれるかも。

後半まで、アリスの犯行によるものなのかはボカされる。
彼女こそ「恐るべき子供」なのか、それとも真犯人がいるのか、どちらとも取れる描写が良かった。
ネタが分かってからの後半は展開がスピードアップするのもイイね。

でもその展開に無理があった箇所も。
後半、アンジェラから電話があったドミニクが廃工場に呼び出されるくだり。
アンジェラがドミニクに助けを求めるのは不自然じゃないか?
そもそもその2人、接点あったっけ?

最後ドキッとする、意味深な恐ろしさのあるラストシーン。
「オーメン」っぽい。
あと「13日の金曜日」シリーズのどれかにも似たようなオチの時あったよね。悪意の伝染、継承とでも言うか。