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四月のパリのmichiのレビュー・感想・評価

四月のパリ(1952年製作の映画)
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ストーリーは実にしょうもないコメディーですが、深く考えなければおもしろいです。絶対有り得ない展開が続くので、そこはそういうものだとスルーすれば楽しいミュージカルでした。

あるアメリカの役人が、パリで行われる国際芸術祭の代表の招待状を誤ってコーラスガールに出してしまい一緒にパリに行くことになる。その客船での道中、二人はなぜ惹かれあい…というストーリーですが、船の中の展開がめちゃくちゃです。
結婚しないと同じ部屋で寝られないという貞操観念を備えながら、婚約者がいるのに他の人と強行結婚しようとするとか、なかなかついていくのが大変。
船長は結婚式を挙げられるっていうのも、今ではよく分からない話だ。船長ってすごい力を持っていたのか。
「おやすみ」って言って部屋を別れてから、どうでもいい話を口実にまた隣の部屋をノックするのは、今にはない感覚で微笑ましい。

やはりドリス・デイの歌は元気になるし、いつか他の作品でもお目にかかりたいと思っていた『オズの魔法使い』の三人組の一人、かかしのレイ・ボルジャーのフワッと軽やかなタップダンスが素晴らしい。
ただ、ドリス・デイが美人キャラだったのがちょっと違うかなと思った。もちろん、はつらつとしたあの笑顔が素敵だけどね。
前半、立ち位置がよく分からなかったフランス人フォーケは、なんだかんだでとてもいいおじさんでした。

アメリカが描くフランス(人)を当時のフランス人はどう観たんだろう。船の中での船員フランス人たちは全員「仕事そっちのけで踊っちゃえ!」みたいなノリで描かれていたけど実際はどうなのか気になる〜。
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