ゆきゆき

ミラノカリブロ9のゆきゆきのレビュー・感想・評価

ミラノカリブロ9(1972年製作の映画)
3.5
イタリア版「仁義なき戦い」を思わせるクライム映画。
金の行方を追いつつ、自らの潔白を証明するために組織の仕事をする男。その過程で判明する裏切り。乾いた暴力が支配する映像はとても好み。
マフィアは用済みの人間をあっさり始末するギャングに成り果て、警察でさえもマフィアに対して暴力で対抗することしか考えず、貧富の差に起因する社会の不安という本質を見失っている。当時のイタリアの情勢が垣間見える部分も興味深い。
プログレッシヴ・ロックバンドのオザンナによる劇伴は、映像の暴力性に負けないサウンド。シンフォニックさとは対極な荒々しいフルートの音色が耳に残ります。
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