Melko

屋根裏のエイリアンのMelkoのレビュー・感想・評価

屋根裏のエイリアン(2009年製作の映画)
3.7
何も考えず期待せずに見たら、まあまあ楽しめた。でも、うーん…、徹底的にギャグコメディに振り切ってエイリアンとのドタバタ攻防戦を繰り広げる割には、なんだかテンポが悪い。
それもこれも、主人公である数学オタク トムの見せ場がほぼないから。終始こいつがオロオロして、せっかく頭いいのにそのひらめきやアイデアが全然役に立たず、即席で作った武器も歯が立たず、「男なら戦え!」な脳筋ヤンキーのいとこジェイクが用意する爆竹やメントスコーラの方が効き目あるという、何じゃそりゃな展開。
地球を救うため影でコソコソ命がけで戦う子どもたちを尻目に、あまりにもお気楽な親や警官も、そういう演出なのだろうけどイライラする。しかもそんな分からず屋な父親にワーッと詰められ、………。と何も言わないトム…
おいっっ!お前いま明らかにキレるとこやろ!と背中を叩きたくなる気持ちに…。何度も何度も何もかも自分のせいにされて、気が狂いそうな詰められ方。トムはずーーーっとバツの悪そうな顔。これが非常に、気に入らない…個人的に。
しかも最後も「やっぱり父さんの言うことが正しかったよ。」で、えぇ??おいおい…今までの奮闘は何だったの?それでいいのかよホントに……と、確固たる理由があって親に反抗的な行動をとってるのに、収束がものすごい扇動されてる感あって、なんかモヤモヤ。。まあそもそも、ファミリー向け映画にきっちりしたそこのメッセージを求めるのは、野暮なのか…

エイリアンとの攻防も規模小さめ。終盤までは、屋根裏で作戦を立てるエイリアンたちをどうやって退治するか、引きずり出すか、に子どもたちは四苦八苦。
そんなエイリアンたちの切り札 マインドコントロール機が大人にしか効かないことで、終盤まさかの 姉貴のクソ彼氏リッキーvs おばあちゃん の格ゲーさながらの対決に…!昇竜拳からの竜巻旋風脚!ここは監督のこだわりかしら。

他の方同様、わたしの中でのMVPもクソ彼氏リッキー。序盤のホントにクソムカつく振る舞いと二枚舌からの、いち早くエイリアンに体を乗っ取られ、そのリモコンがあっち行ってこっち行って、もうめちゃくちゃにやられる。。まさに身体を張りまくった奮闘、操られてる演技が上手すぎ!自分の顔をビンタしまくるのはさすがに可哀想になった。笑
そんなリッキーの彼女な姉貴もなんか物言いがムカつくなあと思ったら、ハイスクールミュージカルのシャーペイ!あの時のまんまな役だったわ。笑 いきなりエイリアン目撃からの物分かりの良すぎる順応ぶり。

地味に身体能力高くて野生の勘が当たりまくり、想定外の戦いにもいち早く対応できるいとこのジェイクが個人的には推し。その双子の弟たちも可愛かった。2人で交代してコントローラー操作しながらおばあちゃん動かすのが鮮やか。

おもしろ笑えるドタバタ劇なので、お子さまにも安心。
エンドロールのNG集ってのは良いな、やはり。
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