知らずに鑑賞したけど、ルビッチ唯一のカラー作品はこんなダグラス・サークみたいなのかと中々に興味深かった。
ルビッチの作品は基本的にサイレント時代の方が好きではあるけど、トーキー以降も語り口や展開が小気味良いから全く嫌いではなく、この映画もタイトルに反して最初に地獄の入口から始まる意外性や主人公の恋愛模様、そして誕生日の演出や最後の結婚記念日のダンスの侘しさ等コメディなのに段々しんみりしていく感じが素晴らしく、さすがはワイルダーの師匠と改めて感心。
主人公の祖父を演じたチャールズ・コバーンはこの年度のアカデミー賞で助演男優賞を受賞したが、対象作のthe more, the merrierだけでなくこの作品の働きもおそらくあってのことだろう。
ところでドン・アメチー、年取ったときの姿が晩年のコクーンのときとほとんど違ってなくて少しおかしかった。