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縞模様のパジャマの少年のyamachiのネタバレレビュー・内容・結末

縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ちょっと考えさせられすぎてしんどい。

縞模様のパジャマの子と出会った時「そんな名前知らない」と。

生きている世界が違うんだなと思った。

”ユダヤ人だから”
そう告白したシュムールの気まずそうな顔が忘れられない

また、姉が洗脳されていく様子を見ると、本当に怖いのは武器でも軍でもなくて”教育”なのかもしれないと感じる。

「友達だから」
その言葉を裏切ってしまう弱い子だけど、そうさせているのは異常な世界な訳で...。

スポーツやカフェなどの娯楽を 教えずに、情報を狭めている所を見ると、今の隣国を見ているようだった。
自分たちは優れている、何があっても自分たちが正しい、と。
力で押さえつければ 何でも上手くいくと思っている...。

ブルーノに関しては、娯楽のシーンを観て 「収容所は楽しそうじゃないか」と言ってしまう所など、真っ直ぐすぎてヒヤヒヤする...笑

君が思っているほど、この世界は綺麗じゃ無いんだよ、と。
それでも握手するシュムールを見ると、虐げられている側なのに随分立派だと感じた。

「またベルリンに来るといい」
今でこそ、そう約束すればいつか逢えると思えるけど、この時代には...。
「そっちに僕がいくよ」
そんな簡単な話じゃ無いんだよ。

ブルーノが考えているほど、シュムールの世界は甘くなくて、自分1人の力ではどうにも出来ない っていうのが もどかしい...。

”パジャマ”を着たところで、”壁”は無くならないし...。
”あっちの世界”の姿を目の当たりにして 初めて世界の汚い部分を知る。

ラスト10分のハラハラは凄い。
こんなラストは無しだろ...。

友達を助けてあげたかっただけなのに...。

どこで間違った。
引っ越さなければ...。
親がもっと構っていれば...。
出会わなければ...。
あの時喧嘩別れしていれば...。

いつでもタイミングはあったのかもしれない、けど1番はやはり
こんな時代じゃなければ...。

誤った方向に突き進んで、家族を大切にしなかった大人達と、
自分が大切にしたい物を守ろうとした 純粋な少年の話。
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