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縞模様のパジャマの少年のうさぎのネタバレレビュー・内容・結末

縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

8歳の男の子にとって、慣れ親しんだ街と家を離れ監禁とも言える生活を強いられるのは苦行だろうなと心を痛めた。
姉は随分大人びているようだし、あの年頃の子が遊び相手も遊ぶ場所もないのはかわいそうでやるせない。

母親が父親のやっていることを認め切れず、段々退廃的になっていく所がリアルでした。
傷の手当をしてくれたユダヤ人にもお礼を言ったり、あの家族で主人公以外の唯一救いの存在。

せっかく自分の家で会えたのに、主人公の軽率な行動であの少年が罰せられたのかと思うと辛くて仕方なかった。
後半は結構なハイスピードで展開していくが、焦燥感と緊張に駆られてみていてそわそわするのでちょうどいいかなと思う。

『パジャマ』を着て一緒にパパを探す。ユダヤ人が受ける仕打ちを知っているからこそその行く末が見えていても立ってもいられなくなった。
実際にあったことだからこそ、その歴史や時代について考えさせられる。残された家族や、毒ガスの中で自分たちがどうなるか悟った彼らの気持ちを考えると悲しみを通り越して虚無になる…

ズームアウトしていくあの重い鉄の扉を見ていると、心の何処かで気付いて覚悟していたにも関わらずやるせない気持ちになるラストだった。
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