このレビューはネタバレを含みます
自分が今まで見てきた「後味が悪い映画」のランキングを塗り替えた作品。
ノンフィクションや、戦争ものを見ると「歴史から目を背けてはいけない」ということを強く思う。
ドイツ人から見ればホロコーストは正義だったし、ユダヤ人から見ればあまりに酷い出来事だった。
けれど、子供たちに「人種差別」とか「階級」とか、そんなのどうでも良くて、あるのは無邪気さと好奇心と、時に残酷な正直さ。
ブルーノの質問の一つ一つが純粋すぎて刺さったし、コップ拭き中に怒られるシーンはブルーノからすれば「大人が怖くて嘘ついちゃった」程度だったのだと思う。
その無邪気さは「殺す側」「殺される側」の有刺鉄線を容易く超えてしまう。
ブルーノのお母さんの絶望感がひしひしと伝わってきた。
お父さんは少しでも痛みを知れと思ってしまった