｢ごめんなさい｣で仲直りが出来る世界だったらどれだけ良かった事か。ホロコーストの悲劇を8歳の少年ブルーノの視点から描いた作品。
｢ナチス｣｢ホロコースト｣と分かった上で、テンポ良く進んで行く本作。序盤から結末は予測していたけど、その上をいかれた。じわじわと追い詰められながら衝撃を待つようなラストが…重かったです。
ナチスドイツ時代。全ての感覚が狂わされ、正気な者は排除され、子供たちまでも洗脳された恐ろしい歴史の一つを目の当たりにした気がする。
純粋で美しい子供たちに焦点を当てた本作。
ただ、遊びたかっただけなのに、友達になりたかった、仲良くしたかっただけなのに。
子供たちが可愛くて仕方なかった分、観ていて辛かったけど、この腐った時代や歴史を非難し続ける事に意味があるんだと思います。
涙が出るというよりは、血の気が引きました。
本当に恐ろしい。
いつだって捻じ曲げて、差別して、戦争だなんだと敵を作るのは大人。
ブルーノとシュムールの可愛い顔と綺麗な目が印象的でしたが、子供の偏見のない純粋な気持ちと人を見る目、忘れたくないです。
衝撃的なラストがフューチャーされがちだけど、内容自体とても上手く作られていて、無知な事、教えない事、教える事、色んな事が招く結果も考えさせられる部分、学びが沢山ありました。
ブルーノ、姉、母、父と三者三葉な考え方や選択、生き方だったので、子供に観せて考える事も出来る道徳的で教訓のある映画でしたね。激しい描写もないので子供がいたら観せたい映画です。
｢セックスエデュケーション｣の子と、｢ハリーポッター｣のルーピン先生と、大好きなヴェラ・ファーミガだったのに…覚悟はしてたけど、気持ちはずーーんです。
