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キング・オブ・ジャズのすずすのレビュー・感想・評価

キング・オブ・ジャズ(1930年製作の映画)
3.3
トーキー初期、ミュージカルの原型とも云える、レビュー形式の映画です。2原色のテクニカラー方式で作られたカラー映画で、緑系の再現が弱くなっているみたいです。

ジャズを冠した映画ですが、アフリカ系アメリカ人のジャズは使われておらず、ガーシュウィンの『ラプソディ・イン・ブルー』の他、ワルツなどの舞曲が中心で、クライマックスにはフラメンコ、カンツォーネ、コサック系ロシア、メキシコなど多様性を帯びた楽曲を、大きな鍋で一つに溶け込むメルティングポットと称しています。
この時代の[ジャズ]と云う言葉は、今のジャズより広義で、流行のダンス音楽全般だったのかも知れません。

映画はWCフィールズみたいなビックバンドのリーダーであるポール・ホワイトマンがページをめくり、進んでいきます。
ページごとに音楽が奏でられる形式で、アニメーションあり、タップダンスあり、MGM得意の巨大セットでのショーガール達の群舞も観られます。

ビング・クロスビーはボーカルグループの一人として一曲参加しています。
ダンスの魅力は振付よりめ、個々のダンサーの力量が中心で、味を蛸の様に滑らかに動かすタップダンサーが凄いです。
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