イチロヲ

クレイジー・ママのイチロヲのレビュー・感想・評価

クレイジー・ママ(1975年製作の映画)
3.9
1950年代のアメリカ南部、美容院を営んでいる親子3代の女系家族が、借金返済を目的とした強盗の旅を繰り広げる。ロジャー・コーマンが製作総指揮を務めるママ・シリーズの第3作目。監督を務めているのはコーマン門下生のジョナサン・デミ。

1930年代に実在していた犯罪者家族を題材に始まったシリーズなのだが、舞台設定を1950年代に移した本作では、もはや架空の物語に様変わりしている。

母と娘のそれぞれが分不相応の彼氏を誑し込んで、行動を共にするところが面白い。中年と若者の両方の観点から物事が同時進行して、ジェネレーション・ギャップを乗り越えながらの犯罪行為が展開される。

劇中には既成曲のオールディーズが効果的に使用されており、そのセンスの良さから「やっぱりジョナサン・デミは音楽映画の人なんだなぁ」ということを、あらためて痛感させられる。

アメリカン・ニューシネマを基礎にしたマンネリ化から脱却するべく、逆転の発想が各所に効いているところも見逃せない。だがしかし、女優のヌード・シーンまでもが逆転して「なくなっている」のは至極残念。

ママ・シリーズを総括すると、総合的には2作目「ビッグ・バッド・ママ」が好きだけど、人間関係の描き方に関しては「クレイジー・ママ」のほうが上という感じ。1作目は良くも悪くもロジャー・コーマン謹製の低予算映画。今さらだけど、この人はプロデュース側に徹したほうが良いのかも知れない…