70分ちょいという小品ながら、すぐれた脚本とキレッキレ演出でおそろしく濃密な映画。改めて見てびっくりしたのはラスト。エンドマークが被さった瞬間のかっこよさといったら。すっごいモダンっていうか……とても50年代初頭の映画だとは思えない。
ネックレスの玉が落ちる→階段の下に殺し屋がいるだとか、ファー付きコートの使い方とか、いちいち痺れるのだが、なにより窓ガラスを徹底的に使い倒しているのがすごい。こういうの本当に頭が良いと思う。車が並走していることが判明する瞬間は、自分でもよくわからない感動を覚えた。
まあ、「何おまえこの状況でレコード聞いてんだよ」など気になるところはあるのだが(どうでもいい)。