つるみん

侠女/俠女 第一部:チンルー砦の戦いのつるみんのレビュー・感想・評価

3.5
【女の情けは災いのもとだ】

明時代末期。小さな村に住む書生のグーのもとにオウヤンという男がチンルー砦について尋ねてくる。グーはその砦を調べてみるとヤンという若い女性が住んでいた。ヤンと仲良くなるうちに分かってくる事実。それはヤンは政府に処刑された大臣の娘であり、砦に逃げてきたのであった。ヤンを政府から守る為、兵法を使って政府の追跡隊を罠にかけるが…。

香港や台湾アクションに欠かせないワイヤーアクションであるが、本作はそれをいち早く取り入れ、後の作品らに多大な影響を与えた武侠アクションの原点とされる作品。また第28回カンヌ国際映画祭にて、中華圏映画として初めて高等技術委員会グランプリを受賞した映画でもあって、技術的な面はもちろん、賞レースにおいても非常に重要な作品と言える。

いかにも〝映画的〟な作品であった。
物語の短調さは否定できないが、竹林の戦闘シーンなどは1970年代のアジア作品という事を考慮するとかなり斬新で画期的だったのだろう。個人的に武侠作品に関しては疎いので、他作品と比較する事は出来ないが、映画好きとしてただただこの伝説の映画と言われる作品を鑑賞する事ができて良かった。

Filmarksでは第一部と第二部(公開当時や2000年に発売されたDVDでは上集下集と分かれていた)と分かれているが、僕が観たのは前後がそのまま繋がって展開される一本の映画だった。
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