画家クロード・モネの出身地フランス北西部の港町ル・アーヴルに暮らすマルセル(アンドレ・ウィルム)という老人が主人公。
彼はこの地で靴磨きをしています。
画面構成に直線が多いのと動きが少ないカメラが特徴なので小津安二郎が彷彿とされます。
風の無い夜の街と色彩がまるで絵画のようでセットで撮影されたかのようです。
仕事を終えて帰宅する彼を妻が優しく迎え、「これで食前酒でも呑んでいらっしゃい」と彼に小遣いを渡すのでした。
羨ましい程の仲睦まじい夫婦ということが直ぐに分かりいいなぁ……と思います。この辺も小津に近い。
主人公はやがて妻が病に侵されてしまうのに加えてアフリカから不法入国の少年を当局より匿うという一度に二つの困難を抱え込むことになります。
彼は貧しいが非常に実直で心優しい人物。
妻にも少年にも誠意を込めて出来るだけの事をします。
良いことしていたら良いことがある、
ラストは犬を飼う彼の庭に桜の花が咲いてココホレワンワン物語か?と思ってしまいました。