まりぃくりすてぃ

ル・アーヴルの靴みがきのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)
2.5
『希望のかなた』でもそうだったけど、登場人物たちがやたら煙草を吸うのが私には不快だった。紫煙が銀幕内で無条件にカッコよかったのは白黒ゴダール頃までだと思う。カウリスマキにおいては一本一本やライターを小道具として時代錯誤的に過剰使用してるというよりも単にニコチン中毒者の自然さで吸って吸わせてが頻発してるだけという感じで、禁煙外来にでも行けと言いたくなる。一服ばっかりしてる暇があったらもっとシナリオを練り直して演出にも気合入れてよ、とも。

べつにそれがなくてもストーリーにも主役男性にも黒人少年にも前半だけで飽きちゃったけど、老妻役はすばらしかったと思う。彼女が登場するたんびに私はその演技・個性・存在感(重たさ/神っぽさ)に目を瞠った。そのカティ・オウティネンを主演にして別映画を創ってほしかった!
それと、おじさんバンドのドラマーのスティックさばきが、“おとなしめの時のキース・ムーン”風でとってもジェニックだった。