カタパル

最後の人のカタパルのレビュー・感想・評価

最後の人(1924年製作の映画)
3.5
ドイツ表現主義の代表作の一つで、サイレント映画の究極の形の一つとして有名ですね。つまり、字幕無しで文字情報が最小限に抑えられ、映像表現だけで物語を語ります。ちなみに、ドイツ表現主義の他の代表作は『メトロポリス』や『カリガリ博士』です。

ドイツ表現主義の映画の特徴はファンタジー的な映像加工です。この映画でも酔っ払ったシーンや、絶望に打ちひしがれるシーンで効果的に使われています。おそらくガーゼを使ったフィルター加工なども使われています。1924年にすでに映画的表現がほぼ完成されていることに驚きます。いやー、すごいわ。

でも、ボクが一番惹きつけられたのはファッションですね。あの当時の洋服はとてもセンスがいい。いま欲しい!そして、ホテルのトイレのグルーミング道具の充実さたるや。ヨーロッパの五つ星ホテルでも今はあんなサービスないですよ。あんなホテル行ってみたい!

ただ、欠点を上げるとすればストーリーです。さすがに100年近く前の話なので、今の人とは考え方も違います。なかなか登場人物に共感持てません。物語の経年劣化ってある程度仕方ないですよね。

ちなみに今回みたBDはKino Classicsによるものでした。『最後の人』はドイツ版とインターナショナル版ともう一つあって、Kino Classicsから出ているものは損失の激しいドイツ版を修復して、残りは現存しているネガから起こしたものだそうです。さすが、Criterion Collectionsと並び称させるKino Classicsで、リマスターはほぼ完璧でした。