けんたろう

最後の人のけんたろうのレビュー・感想・評価

最後の人(1924年製作の映画)
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アメリカ人と仲良くなりたくなるおはなし。


挨拶を嘲笑に変える近所の住民や、仲良しだったそれまでの態度を一変させる家族、倒れて襲いかかってくるホテルの建物などは、おっさんの心に巣食う不安や焦りを表し、且つおっさんを追い込んでいく。
ドイツ表現主義に分類されようこの作品では、主人公の心情の可視化はもちろん行っているのだが、その可視化された心情が自らに影響を与えてい、なんだか新鮮で面白かった。

ふと考えてみると、悲しい気持ちが自分をさらに悲しくさせるような、抜け出しがたい負のスパイラルに陥ることは、違和感のある現象だが、しかし確かに日常生活においてあることもある。

本作のおっさんがどんどんと進んでいった道はまさにその通りで、そうして憔悴しきった彼の姿は見るも無惨なものだった。それはもはや序盤の彼とは別人かのようであった。一言の声もかけられぬほどの哀愁が漂っていた。


そうして最後は最後で笑っちまうほどとんでもないものだったけれど、まぁ『ラ・ラ・ランド』なんかも「夢を見ていた。」とか何だとか言っていたし、映画は夢だ‼️ということで屹度よいのでしょう❗️おわり‼️