an0nym0us

愛と哀しみのボレロ・完全版のan0nym0usのレビュー・感想・評価

4.5
ボレロの起源は18世紀末のスペイン。
舞踏の為に生み出された3拍子のリズム。
その音は時を経て形を変え、20世紀にモーリス・ラヴェルの手によってバレエ音楽として広く世に知られる名曲へと昇華される…その事実だけでも証明されてるよね。

源流から大海…過去から現在…そして現在から未来へと…連綿と続く旋律。それを目に見える形にしてくれたのがジョルジュ・ドンの最後のボレロ。ひと時の事象の収束点を目撃する…最高にアガる作品でした。

ボレロのフィニッシュに重ねた原題『les uns et les autres』の文字に、痺れてブワッて鳥肌が立った。

l'un et l'autre…その意は『互いに』
その複数形。素晴らしい表現。

ふたつのメロディーが互いに繰り返され、織り成すボレロの旋律が…世界そのもの。

動きで、音で、色で…
非言語でなければ表現できない小宇宙。

これって圧倒的すぎて、上手に言葉にできないんだけど…水は水素と酸素が結び付いてできてて…一緒になって水になって、その水が集まって川になって、川が流れ出て海の一部になって…太陽の熱で気体になったりして、雨になってまた巡って…世界に満ちている。

その全てが『les uns et les autres』

n'importe quoi!ってぐらい圧倒的。
↑は『ありえねー』って意味ね。

晴れて穏やかな昼下がりに、木漏れ日カフェでクレモンティーヌのボサと爽やかミントティーの蜂蜜添えぐらいの解放感✨宇宙と繋がる感じ…とか言うと、不思議ちゃん扱いを受けそうだけど。ドラン監督のmommyでワンダーウォールをドーン!した時みたいな…拡がった感じ。Highly Strungでユニゾンが、こう、絡み合いながらグイグイ昇ってく…宇宙に届く感じの…あの恍惚。それを最後のボレロに感じる。

ブラームスの交響曲第1番第四楽章✨
あの楽曲も魂が震えるよね!
やっぱ私には音楽が神だわ(〃ω〃)

映画館で観てたら、これも星5近いスコアにしてたかも…素晴らしかったです。

とりあえず私は…ギターを咆哮させたい。
Highly Strungを弾きたい…

うぅ…自宅じゃキツいかぁ…(; ̄ェ ̄)

でもほら、このしがらみもまた…
私のかける近所迷惑もまた…
繋がるんだわ…全てと(爆)

間違いなく…名作。
胸を張ってオススメします✨
an0nym0us

an0nym0us