一人旅

モンティ・パイソン/人生狂騒曲の一人旅のレビュー・感想・評価

4.0
第36回カンヌ国際映画祭グランプリ。
テリー・ジョーンズ&テリー・ギリアム監督作。

イギリスのコメディ集団「モンティ・パイソン」による劇場用映画第4弾で、本編をテリー・ジョーンズ、前座の短編と挿入アニメーションをテリー・ギリアムが演出しています。

本作は、“生きる意味”をテーマとした壮大なギャグコメディです。保険会社の不遇な老人たちが金融街に殴り込みをかける前座の短編映画『クリムゾン 老人は荒野をめざす』を経て、オープニング+7つのチャプター+エンディングのチャプター構成の本編により“人間の一生”を駆け足で俯瞰していきます。

出産から死後の世界までを描いた人生解剖劇ですが、兎にも角にも観客の目に焼き付くのはモンティ・パイソン流の馬鹿げたマシンガンギャグにあります。現代社会への風刺や皮肉の利いたギャグが満載ですが、生徒の前で教師とその妻が性交渉する過激な性教育や、巨漢の男がレストランでひたすら嘔吐する下劣丸出しの場面、自宅に押し掛けた医師によって強制的に生体臓器移植させられる男など自由奔放&超過激な映像がインパクト絶大です。

ひとつひとつの馬鹿げたシーンの意味を深く考えても処理が追い付かないので、好き放題やりたい放題にぶち込まれる無限ギャグ映像を黙々と眺めるのが唯一にして正しい鑑賞方法のモンティ・パイソン映画で、テリー・ジョーンズをはじめメンバー6人が一人平均10役以上をこなしています。
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