秋日和

突撃!O・Cとスティッグス/お笑い黙示録の秋日和のレビュー・感想・評価

4.5
人や花火やお酒が乱れに乱れていくことを許すこの映画の中で、アルトマンは唯一、色彩が乱れることを許さない。
例えば家族で囲む食卓のシーン。部屋のなかに不自然なまでに配置された緑の数々(子供が昔描いたと思われるサボテンの絵)。テーブルの上も華やかな緑に彩られて、そこに緑の服を着た役者を座らせる。緑のバックに緑の服を合わせてくる……こんなことを平気な顔してやってのける監督って、アルトマンとサークと清順くらいしかまだ知らない。
他にも見事だと感じたのは、カーショップのシーンでの鮮やかなカットの繋ぎ方。シーンの冒頭で赤、青、黄のフラッグを映し(日本でもそうだけれど、車屋さんはどうして三角形のフラッグを吊るしたがるのか?)、次のカットで同じ配色をした車が並べられている様子を捉えていく。仕上げには、店員の服をも同色で映し出す。あまりにも完璧な遊び心で、思わずうっとりしてしまう。
他にも挙げるとキリがないけれど、アルトマンが確信犯的に色を使っているなと感じたのは、アイスを食べながら金持ち親子が夜の街を歩くシーン。子供が親に向かって「どうして僕は桃なの?(僕の着ている)服に合わせたの?」と問いかけてみせる。この瞬間は本当にニヤッとしてしまったし、楽しくって仕方がなかった。
個人個人に色を与えているから、色が飛び交うパーティーや花火のシーンは、場面としての混沌さは別として、とても鮮やかで、寧ろまとまりがあるとさえ思う。ずっとずっと面白かった。