明石です

クライモリ デッド・エンドの明石ですのレビュー・感想・評価

5.0
ウェストバージニアの山奥で、6人の男女が生き残りをかけて戦うサバイバル番組を収録することに。しかしその山は、異形の人喰い殺人鬼たちの縄張りだった!という不運なお話。名作の続編にしてこれまた超名作で、めくるめく残虐天国に酔いしれてしまったよ、、

タイトル通り「間違ったターン」をしてしまった女性が人食い族に襲われる冒頭のシーンから大興奮でした。犠牲者の体を斧で(縦方向に!)真っ二つにして2人で分担して持ち帰る映像、シュールすぎて笑っちゃう。そんな斬新な分担方法見たことない!また、サバイバル番組を作ろうとしたら本物のサバイバルに巻き込まれてしまうというシナリオは、前作から心機一転を図ってる感じがとても好感だし、スタッフが『バトルロワイヤル』のTシャツを着てるのもさらに好感笑。

そして今作、設定もまた素晴らしく、製紙工場から漏れた薬品で森の動物が死に絶え、そこに住む人間が同じく化学薬品の作用で異形の怪物になってしまったという、前作ではボカされていた背景説明がしっかりしてるのイイ!!そして薬物に汚染された彼らが産んだ子供たちが近親相姦を繰り返した(そうせざるを得なかった)ことで、もっと醜い容姿になったという、、なぜ危険を冒してまで人間を殺して食べるのか、という本シリーズの根幹の設定に対するエレガントな回答ですね。それに今作が意識してる『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスさながら、異形の殺人鬼へ同情を抱かせる設定になってるのもまた深みがあって良いなあ。

主演は私激推しの女優さん、エリカリーセン。『ブレアウィッチ2』で魔女に取り憑かれて裸で変死し、『テキサス・チェーンソー』ではレザーフェイスに体を真っ二つにされた(しかし予算の都合上そのシーンをまるまるカットされた)悲運な役どころの多い彼女が、本作で初の主演!!やったぜ。作中で大盤振る舞いしてくれるスクリームクイーンっぷりは圧巻だし、絶叫しすぎてカサカサになった唇にも性的魅力を感じ、、

このシリーズしかり『REC』しかり『テキサスチェーンソー』しかり、お胸の大きなヒロインが、白のタンクトップという大胆な服装でプロポーションを見せつけ、逃げる最中にも見る人の注意を(どこにとは言わないけど)釘付けにするのが、このゼロ年代中盤のホラー映画のトレンドだったように思うのだけど、今作のエリカ様は、(プロポーション的な)エロさが少なくて私的には好感でした。まあ口元が絶妙にユルいところにはエロスを感じるけどね。それとこれとは別。

前作にもあった、過去に山中で行方不明になった人達の車がズラリと並んでる映像は壮観でした。それを見て、奴ら、何十年もやってるんだわ!!と気づくシーン。そして『悪魔のいけにえ』をオマージュした、ヒロインが狂人たちの晩餐会にゲストとして招かれる場面もまた最高でした。椅子に縛りつけられたまま、あんたら全員イカれてるわ!と叫ぶエリカ様の凛々しさにはカタルシスを感じるし、そしてもちろん、見る側も喉が痛くなるほどの絶叫っぷりも彼女の面目躍如。

そして終盤の、軍人としてサバイバルに参加したマッチョマンの復讐劇、というより逆ハントも爽快感あって素晴らしい。異形の殺人鬼をダイナマイト付きの弓矢で撃ち抜いて爆破するみたいな視覚的に気持ちのいいシーンがあり、そしてヤツらを肉挽き機にぶち込んでミンチにする描写も最高!!しかも、手当り次第シバき倒したのにしっかりと続編に期待を持たせる幕引きも◎。ストーリーにも殺人劇にも何もかも創意に満ちた素晴らしい続編。私的には前作を超えたと思う。
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