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ルートヴィヒ 完全復元版のNのレビュー・感想・評価

ルートヴィヒ 完全復元版(1972年製作の映画)
3.7
2018.1.10(Wed)
ヴィスコンティ作品だから見たい見たいと思ってたけどどこにもなくて諦めてたらGYAOで配信してた…!GYAO様…!って感じで鑑賞。
とりあえず長かった。歴史がわかったのはよかったけど、ルートヴィヒの生涯をなぞったところで何が言いたいんだっていう。エリーザベトが根本的な原因かなと思ったけど同性愛者だし…、それか逆にエリーザベトと上手くいかなかったから同性に向いたのかな…?色んな抑圧があってのことかもしれないけど狂ってく様子もついていけなかった。抑圧っていう点では同性愛的傾向はかなり重要な要素だろうしヴィスコンティ的にも同性愛を描くのは別にアリだと思うんだけどその要素がフワッとしてたのはなんでだろう。
映像は美しいんだけど少ない台詞を補完するものというよりは豪華絢爛さを見せるだけのためのもののように思えた。でもヴィスコンティ作品は率直に物語的に素晴らしいって思ったの『ベニスに死す』だけなのに、どの作品も画がずっと脳裏に焼きついてるし、他のヴィスコンティ作品も見たいってなる。それがヴィスコンティの作る画面が理屈じゃなく持ってる魔力なんだなと思った。作品を本質的には理解してないかもしれない自分でもまた見たいと思えるっていう。今回も白塗りの顔が出てきたけどロミオのはあんまりインパクトがなかった。その代わり物語が進むにつれてルートヴィヒの顔が同じように白くなっていってる気がした。あとヘルムートバーガーの美しい顔と対照的なガタガタの歯が印象的だった。
あと前にワーグナーについて調べてたのが活かされて個人的に嬉しかった。あんなに性格悪そうだったとは。ワーグナーとの対比によってルートヴィヒの純粋さが際立ってたけど純粋が故に狂ってたのかな。オペラのあらすじとか音楽もちゃんと知ってればもっと楽しめただろうなと思った。映画を見ていて色んなことが繋がっていくのは楽しいけど自分にはまだまだ知識が足りないっていうのも痛感する。勉強したいけど知らないことと知りたいことが多すぎて何から手をつければいいんだろう。作中で色んなことに言及してる作家はすごいし羨ましいなと最近つくづく思う。
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