なすび

ルートヴィヒ 完全復元版のなすびのレビュー・感想・評価

ルートヴィヒ 完全復元版(1972年製作の映画)
5.0
オールタイムベスト
ヴィスコンティの作品の中でも至高

住む世界が違いすぎる4時間

ヘルムートバーガーの冷たく光るアイスブルーの瞳と映画全体の豪華絢爛なのにどこかダークな雰囲気が互いに呼応していて震える。
音楽と神話を愛した孤独な王が次第に狂い堕ちていく様。

言うたらガチもんの貴族がガチの城を使って王族をガチで描くこれぞガチ史実映画なわけで…きっと先にも後にもこんな映画は誰にも撮れない。だからこそ孤高の存在でありこの主人公と重なるヴィスコンティの切実なまでの芸術に対する愛やそこはかとない哀愁を感じる。部屋の中の花1つとってもガチもん感半端ない…ガチな貴族は薔薇を40本くらいでっかい壺にぶち入れる

美男子を発掘させたら右に出る者がいないヴィスコンティ。アランドロン、マストロヤンニ、ダークボガード、ビョルンアンドレセンそして、ヘルムートバーガー…オーストリア出身の彼にもまさにルートヴィヒ2世の姿が重なる。ヘルムートバーガーがヴィスコンティの画面にいる時、常にヴィスコンティの視線を感じて、なんとも言えぬ興奮を感じる、、、ヴィスコンティのヘルムートバーガーを、フェチがたっぷり詰まったものを4時間も覗き見しているのだ…

オットー1世役のジョンモルダーブラウン、「早春」の主人公だった彼だ…!さすがヴィスコンティお目が高い

ロミーシュナイダー様の自由奔放で見るものを惑わすお姉さんぶりもたまらない。「私と彼(ルートヴィヒ2世)は似た者同士なのよ」と言うシーンでドキッとするほどヘルムートバーガーに横顔が似ていた…

リンダーホーフ城の人工洞窟からボートで現れるルートヴィヒ2世、ヘルムートバーガー…!私の映画史上に残る最も美しい場面の1つだ…!(さすがに「えwちょwwマジすかww」てなったけど笑)この世のものではない…

1000mark目…!
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