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神聖なる一族24人の娘たちのhasseのレビュー・感想・評価

神聖なる一族24人の娘たち(2012年製作の映画)
3.3
演出4
演技3
脚本4
撮影3
照明3
音楽4
音響3
インスピレーション3
好み3

○「この物語はおとぎ話ではあるが、事実とも言える。…(中略)少なくとも僕が見聞きしたものであることは事実だ」(原作者デニス・オソーキン)

ロシアのマリ族の若い女性の性にまつわるフォークロア集の映像化という、珍しい作品。初潮を迎えたことを町の人に知らせることに反発するエピソードや、夫の浮気の真偽を、男性器の匂いで確かめようとするエピソード等、ありそうなものもあれば、森の精霊オヴダ、ゾンビ、キセリパーティー等のファンタジー寄りの幻想的エピソードもある。
どこからどこまで嘘か誠か分からないが、フォークロアの形式を取った瞬間に、それらは魔術的な魅力をもって受容する人の前に現前する。そして、受容する側も経験したり見聞きしたりする、若い女性に一般的な性の喜びや悩みがお話の本質であるからこそ、嘘か誠か分からずとも受容できるのだ。自由奔放な物語でありながらも、決して無秩序で無軌道になりえないのは、物語の本質的なフォーマットと内容の普遍性のお陰である。
ただ、フォークロアを映像化したことによる効果、旨味はあったのだろうか……?
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