アンタレス

ディレクターズ・カット JFK/特別編集版のアンタレスのレビュー・感想・評価

4.0
『ケネディ大統領暗殺事件』。未だに謎が多く、陰謀説も後を絶たないアメリカ最大の狙撃事件である。この事件に関する唯一の訴訟である、『クレイ・ショー裁判』とそれに至るまでのジム・ギャリソン検事の執念の捜査にスポットを当てた。映画独自の解釈を加え、ケネディ暗殺事件の謎へ深く切り込んでいく。


ケビン・コスナーを始め、オールスターキャストと呼べるほどの豪華俳優陣。ディレクターズカット盤は200分を越える圧倒的なボリューム。モチーフの事件はあまりに有名で、見応えは充分だった。
捜査に当たっているときのジムは、正直クレイジーだと言われても仕方がないと感じるほど身勝手で思い込みが激しく頑固である。が、ラストの裁判のシーンでは正に彼の独壇場、ケビン・コスナーの本領を見事に発揮し作品を綺麗に纏め上げた。
内容に関しては、当時判明していた事実に独自の解釈を加えたフィクションの部分も多いようだが。しかし真実が闇の中にある事件であり文書の公開まで我々は知ることができないので、サスペンス作品として問題なく楽しめた。
『この国に生まれても、この国で死にたくない』とは劇中のジム検事の言葉であるが、アメリカ国民が自分の国に誇りをもって生きていけるよう、真実の究明を願うばかりだ。
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