映画おじいさん

或る剣豪の生涯の映画おじいさんのレビュー・感想・評価

或る剣豪の生涯(1959年製作の映画)
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東宝喜劇みたいだったら地獄だなあと不安だったけどデカ鼻つけた三船敏郎のメロドラマ仕立て人情モノでなかなか良かった。
容姿の醜さについての映画は大好物。男の容姿についての邦画は珍しいような。これもフランス原作だけど。

喜劇というより醜いがゆえに道化になるしかない悲しさを表現するようなコメディシーン。ユーモラスにはなれてもドタバタが出来ない(?)三船敏郎は適役。

25人に襲われる闇討ちとか宝田明の身代わりに朗読とか「見えない」がキーワードのようなシーンも上手い。最後の司葉子の前で伏線が回収されて涙&涙なんだけど、そこでも三船敏郎の致命傷は見えない。

本作での大きな不満は脇役の活躍が弱いというか説明不足。
平田昭彦は酒好きなキャラだったけどアル中には見えないし、酒で友を裏切るとは信じがたい。いつの間にフェイク切腹をして親友を騙そうとするような極悪人になったのか。
宝田明が入水してしまうのも、ちょっとエッ!という感じだった。
一番気になったのはリタードの淡路恵子。うっかり寝てしまって(←私が)見逃したのかもだけど、いつの間にやらフェイドアウト。お洒落な着物を着ていた理由も明かされず、特に活躍もなく、ただ三船敏郎の寛大さを示すためだけの登場人物だったとしたら凄くイヤだな。。
淡路恵子がどうなったか劇中に描かれていたなら、どなたか教えてもらえませんか?