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ザ・クリミナル 合衆国の陰謀の4423のレビュー・感想・評価

3.5
2003年にアメリカで実際に起きた「プレイム事件」を元にした作品。CIAスパイの身元を暴露する記事を書いた記者だったが、その記事はやがて政府をも巻き込む大事件へと発展していく。

記者レイチェルが夫と離婚しても、息子の親権を失っても、刑務所で殴り殺されそうになっても頑なに守ろうとする情報提供者とは一体誰なのか?

実は情報提供者が最初から分かった上での鑑賞だったのだが(wikiのページでふつうにネタバレしている)、最初から最後まで手堅い作りとなっており、のめり込むように観てしまった。要となる情報提供者が予め分かっていても全く違う角度から観ることが出来る作品ではないだろうか。

そしてマット・ディロンをはじめ、ヴェラ・ファーミガ、アンジェラ・バセット、アラン・アルダといったキャスト陣が緊迫したストーリーに厚みを与えているのだ。ケイト・ベッキンセイルの芯の通ったジャーナリスト役も素晴らしかった。ベッキンセイルといえば『アンダーワールド』シリーズの印象が強いが意外と何でもこなせるオールマイティーな女優だと私は思う。

ちなみに本作完成後に製作会社のヤーリ・フィルム・グループが倒産したため、お蔵入りとなってしまった非常に可哀想な作品である。
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