takanoひねもすのたり

ポゼッションのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

ポゼッション(1981年製作の映画)
4.1
ズラウスキー監督作の善悪と情欲どろどろな世界観でカオスなスリラー作品。
訳が分からないけど折々に見返す。

イザベル・アジャーニがタコ?イカ?の怪物と交わるシーンは、初見はぎょっとしたし、
地下道で買い物袋振り回し発狂するシーンも唐突な狂気に呆然としたが、何度も観てるうちに歌舞伎の連獅子に見えてきてしまい弱ってる…笑

しかし彼女のどこ見てるか分からない目付きと、それにどんどん似てくるサム・ニールの変貌が凄く厭な描写だなあと思うようになった。

発狂シーンより床やベットの血と粘液の汚濁や、サム・ニール宅の室内やキッチンの荒れ様が静かに正気を失ってる感。
一番厭なのは最後に子供のとった行動。
子供の心にあった絶望感の深さをああいった形で見せられると辛い。

ベルリンの壁崩壊前の撮影で、壁や監視塔と兵士がちらと映っているのが今となっては貴重かも。