ポゼッションの作品情報・感想・評価

「ポゼッション」に投稿された感想・評価

菩薩

菩薩の感想・評価

5.0
なんじゃこりゃ!→なんや貴様!!→なんでそうなんねん!!!の見事な三段落ち、目の前の狂気は加速し続け、それに身を委ねてるうちにあっという間に2時間が経過する。

単なる離婚劇と侮るなかれ、中盤以降この作品からは全ての説明責任が取り払われていく、つか無理。ATフィールドは誰もが持つ心の壁、その為本来は人が人を所有することは出来ないが、時たまそれをせずにはいられない人がいる。そんな者に神は悪魔の化身を授ける、この辺りやってることほぼエヴァね。理想は追い求めているうちが華なのであって、手に入れてしまったら案外つまらないもの、そして強すぎる理想と理想(=思想)とは必ず衝突するものである。

監督本人の私怨が色濃く反映されている作品であるが、その背後には遥か遠くとなり果てた祖国への憧憬、絶対に超えられない男女の壁、資本主義vs共産主義と、あらゆる残酷な現実が見え隠れし、度々映されるベルリンの壁はあらゆる分断を意味する。

絶対に開けてはならないパンドラの匣、その蓋が解き放たれる時、世界は再び地獄の業火に包まれる。おそらく『キャッツ』(観てないけど)以上に、己の精神の根底に巣食う眠れる性癖が呼び起こされる危険性がある、その扉を開けてはならない…その扉を開けては…。

もう全部のシネコン全時間帯『ポゼッション』でポゼッションしちゃえばいいのに…。そうすれば世界は変わる、いや、終わり、あらゆる所にピンクの靴下が咲き誇る事となろう…。「この世の映画一本だけ自分が撮った事にしていいよ」なんて悪魔の囁きが聞こえて来たら迷わずこれを挙げる。なんでこんな面白い映画あるのに誰も教えてくれなかったの…?ここに至るまで約3000本、ちと遠回りをし過ぎた…。オールタイムベスト級、でも絶対に誰にも薦めたくない。完敗です。
人間の狂気性、葛藤が複雑ながら上手く表現されてる。
役者(主人公の妻役が)の演技が素晴らしかった。
最後の展開は少し笑えてしまった。
け

けの感想・評価

4.0
強烈じゃ足りない
久々に、こんなの観たことない
人は選ぶと思うけど個人的には大好きです
miyagi

miyagiの感想・評価

4.0
疲れた時に見ると疲れが吹っ飛びます(嘘)
夫婦の冷め切った関係性を表す青がそこかしこに散りばめられて、、とか思ってたけど、そんな文法的な描写はそこそこに脱線したら暴走機関車はぶっ壊れるまで走り続けるんだよ。の典型みたいなもんだなと思った。
リアル火災、リアル爆発、リアル事故。そういうやっちゃいけないことやって見ちゃいけないものを見させてくれるのが映画であるべきだと再確認させてもらいました。
自分の中ではイレイザーヘッドのあれと同レベの気色悪いクリーチャーに認定します。
Funazo

Funazoの感想・評価

3.7
前から気になっていた作品ではあったが、妻と夫のいざこざが予想を遥かに上回った狂気の連続で、これまで観たホラー映画とは一味も二味も違ったスリリングを味わった。後半からラストに向かってのストーリーが難解だった。
誰より愛したはずの人が得体の知れない何かを愛していく。愛する人とすれ違い分からなくなっていく恐れがあの異形として現れたのかな。妻が去って泣き暮れる日々を送るサムニールが次第に自分を取り戻していく様と、去ったのち次第に壊れていくイザベルアジャーニが真逆だった。ただ最後の最後にメッキの剥がれるサムニール観て、本当に救いのない映画。ベルリンの壁が象徴するものは分かりませんでした。
主演二人の怪演が凄まじいのだけれど、中でもイザベルアジャーニが地下鉄の通路で喚き散らして買い物袋の卵や牛乳を壁にぶちまけ挙句体の穴という穴からドロドロとした液体を漏らし慟哭するシーンは鮮烈。目も向けたくないシーンのはずなんだけど釘付けになってしまう、顔が好きってこういうことだな。彼女はこの映画で2役演じていて、もう片方はまるで天使のような役なので、映画中ずっと飴と鞭を喰らっているような気持ちでした。
「何だかよくわからないけど凄いものを観てしまった!」的映画の筆頭格。

キャスト(特筆すべきはやっぱりイザベルアジャーニ)の怪演、ケレン味溢れる間男の独特な存在感(この映画の良心だと思ってる)、カルロランバルディの特殊効果(足のないメトロン星人みたいなあいつは筆舌に尽くしがたい芸術)、ズラウスキー監督お得意の過剰演出…

最近40周年を迎え、HDリマスター上映があったようでそちらのパンフレットも購入しました。丁寧な解説が載っているので、「観たけど何が何だかわからねえ!」となった方にはパンフレットもお勧めします。
優れた芸術
メタファー系はむずいって 

理想
ポーランド
ベルリンの壁
破門
戦争

占領

悪魔
善悪
暴力
青山

青山の感想・評価

4.0

前から気になっていたもののなかなかレンタル屋に置いてなくて観れてなかったやつ、ようやく観ました。


夫が単身赴任から帰宅すると、妻の様子がおかしく、どうやら浮気しているらしい......という発端は『クレイマークレイマー』とかを連想させるドロドロ家族ドラマという感じ。

しかし、そっからの流れがやべえっすわ。

浮気する妻を演じるイザベル・アジャーニの狂気が全編を貫いているので、ジャンルミックスという感じはあんましないですが、しかし探偵モノからサイコスリラーからモンスターホラーまでいろんな要素を内包したごった煮の味わいは面白いですね。

そんなハチャメチャさで不条理なことが次々と起こるので難解といえば難解。ちゃんと理解できたとは言い難いです。
そんでもシンプルに筋の部分を見れば男女の愛憎モノであり、理想の相手と現実との相違や相互理解の不可能性なんていうけっこう共感できる話だったりもするので、まるっきり分からんことはなかったです。

そんでとにかく登場人物の、特にアンナの感情の発露の激しさが凄まじく、それだけで惹きつけられて目が離せない。エモいってのはこういうことですよね、きっと。
一方、狂気のアンナを演じながら一人二役で天使のような可憐さの先生をも演じるイザベル・アジャーニの両極端演技がやべえ。先生めちゃくちゃ可愛いんですよ。こんな可愛い人が、片や牛乳ぶちまけながらゲロ吐くのかとびっくりですよ。

他にも博愛空手野郎とかダメすぎる探偵コンビとかアレとか変な奴らがたくさん出てきて楽しかったですね、はい。

私もそろそろ結婚とか考えなきゃいかん歳だけど、映画観てるとほんと結婚したくなくなるよね。いや普通逆か。こんなんばっか観てるからやね。
序盤喫茶店で別れ話をしてて、サム・ニールが全然邪魔じゃないのに店にある全部の椅子を横にぶん投げなげからアジャーニを追いかけるところと、
言い争いをしてて往復ビンタを40回ぐらいするところと
バレバレの探偵の尾行と
多分開始4、50分ぐらいの所なんだけど、
旦那が家に帰って来た音を聞いて、ドアの方向を睨みつけるアジャーニの顔と
最後サム・ニールがバイクでずっこける所が面白かった。
>|