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私家版の4423のネタバレレビュー・内容・結末

私家版(1996年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

VHSで鑑賞。編集者エドワードの元に売れっ子作家ニコラが新作を持ってくる。しかし、その内容は30年前に自殺したエドワードの恋人に関する内容だった…。エドワードは復讐のためニコラの新作を贋作に仕立てあげようするのだが。

これは怖い。まさに作家殺しの映画だ。作家を殺すにはこの方法が一番だと言わんばかりに本で本を殺す、本で作家を潰す、本で作家生命を終わりにする。作家という職業の人、否、何かをクリエイトするという立場にある人はリアルな恐怖が感じられるのではないだろうか。明日は我が身という言葉が不意に浮かぶ。ちなみに原作はジャン=ジャック・フィシュテルの同名タイトルで、既に購入済みである。

テレンス・スタンプは『コレクター』での役も不気味だったが、同じような不気味さを本作の役柄でも常に纏っていて思わず戦慄が走る。何といっても表情が全く読めないのだ。何を考えているのか分からない。それが怖い。ラストカットでもあえて表情を映さないという演出が憎い。ニコラの訃報を聞いたエドワード。果たして彼は微笑んでいるだろうか?それとも…?
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