ふき

サイレント・ムービーのふきのレビュー・感想・評価

サイレント・ムービー(1976年製作の映画)
2.5
「サイレント映画を撮ろうとする監督たち」の姿を描いた、サイレントコメディ作品。なのだが、メル・ブルックス氏の監督作品の中では不発の部類だ。
サイレント映画的にパントマイムそのもので驚きや笑いを見せてくるのはマルセル・マルソー氏のシーンなど一部で、それ以外は基本的に「いつものメル・ブルックスコメディ」だ。だが凄まじい勢いで繰り出されるギャグがドライブしていくわけでもなく、要所要所でドカンと爆笑があるわけでもなく、物語的に大きなピンチや起伏や感動があるでもなく、全編どうにも温度が高まっていかない。なのでクライマックスも大団円も、登場人物のように盛り上がらず、妙な温さを感じてしまった。

あと、これは評価とは関係ないのだが、面白がらせる手法の多くに「面白い効果音」や「ミュージカル」を使っているのは、はたして「サイレント映画的」なのだろうか。ちょっと疑問。
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