大友克洋と決別したプロデューサー田中栄子の自己顕示欲を感じる、4℃制作の天才アニメ作家達による饗宴。特にテーマの無い、テイストばらばらな7話オムニバス。公開当時劇場で。「企画に制約なし」って自主制作上映会じゃないんだからちゃんと観れるもの観せてくれよ！と言いたくなるような、1本どうしようもなく意味不明で腹立たしい作品があるのを我慢すると、好みによりますが河森正治や湯浅政明の比較的面白い作品が何作か味わえます。特にトリの渡辺信一郎監督作「BABY BLUE」は柳楽優弥と菊地凛子のリアリティある芝居で良い感じに高校生カップルの青さが表現されており、菅野よう子の音楽と相まって素晴らしい出来。レイアウトが秀逸。夏の情景が見事。警察官との自転車のチェイスシーンとかよく出来てるし、派手な見せ場もあり、最後の花火もグッとくる。
